コラム

 公開日: 2015-02-20  最終更新日: 2015-06-28

管理職の残業代

今回は「管理職の残業代」について解説します。
 
労働基準監督署の調査で重視されるのは、労働時間と残業代の支払いに関する問題です。

そこで今日は管理職の残業代について考えてみたいと思います。

ではまず「監督もしくは管理の地位にある者」とはどんな者かというと
 
会社の経営方針、労働条件、採用の決定に関与しており、経営者と一体的な立場にいる者をいいます。

具体的には、重要な会議や採用面接に出席しているかどうかで判断します。

最近の裁判例では(セントラルスポーツ事件 京都地裁 平成24年4月17日)があります。
 ・エリアマネージャーだった社員が退職
 ・エリアマネージャーの期間は平成15年~平成21年 
 ・その間の残業代等(1,898万円)を請求するために裁判を起こしました。

裁判の結果は
 ・管理職手当が支給されて、残業代が支給されなくても十分な給料を貰っていた
 ・自分の出勤、退勤について自ら決めていた
 ・部下に対し、人事考課の決定権を有していた
 ・職務内容が部門全体の統括的な立場である
 という理由で、元社員の請求を退け、会社が勝訴しました。

この裁判でポイントとなったのは
エリアマネージャーが
 「経営者と一体的な立場かどうか」という点です。
そして
 ・部門全体の統括的立場である
 ・自分の意思で勤怠を決めることができ、誰からも管理を受けていない
 ということで管理監督者と判断しているのです。

逆に、従業員が勝った裁判で有名なのは、(日本マクドナルド事件 東京地裁 平成20年1月28日)があります。
 
この裁判は途中で和解が成立しましたが、名ばかり管理職ということで有名になった裁判です。

この裁判は店舗の店長が「管理監督者に該当するか?」が争われ、

東京地裁では「管理監督者に該当しない」と判断が下ったのです。
つまり、会社は残業代の支払い義務ありとなりました。
  
 ・管理する部下の人数が異なっていた
 ・マクドナルド事件の場合、店長の出勤がシフトで決められていた
  など、異なる点がかなりありました。

そして、この裁判をきっかけとして、厚生労働省より「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗管理者の範囲の適正化について」という通達(平成20年9月9日)がが出されました。

この内容は
 ・店舗に属するアルバイト、パートの採用、解雇の権限があるか無いか → 権限があれば管理監督者
 ・部下に対する人事考課を行なっているかどうか → 人事考課を行なっていれば管理監督者
 ・遅刻や早退等による減給、人事効果でのマイナス評価を受けるか → 減給、マイナス評価を受けないならば、管理監督者
 ・長時間労働を強いられているかどうか → 労働時間を強いられていない立場ならば、管理監督者
 ・給料等の待遇 → 一般の社員と比較し、十分な給料等であれば管理監督者
  などとなっています。

しかし、このような通達が出てもなかなか問題は無くなりません。
 
対策としては、マネージャー、店長などの権限を規程としてルール化しておくことです。

裁判や労働基準監督署の調査で問われた場合、規定で明確になっていると、運用の正当性が主張できるというメリットがあります。  

また、裁判や調査等で調べられる項目は
  ・雇用契約書
  ・タイムカード、出勤簿など
  ・賃金台帳
  ・就業規則
 などがあります。
こういった規程等を整備して置くことが重要だと思います。

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